「墓じまいは寂しくない?フルーツの町うきは市で10柱の想いを引き継ぐ」
フルーツと想い出の地、吉井町での墓じまい
福岡県うきは市吉井町——言わずと知れた、フルーツの宝庫。特に夏になると、桃やブドウ、そして秋には柿や梨。町を歩けばどこからか甘い香りが漂い、まるで果物の楽園のような場所です。
そんな自然豊かな吉井町で、私たち「墓じまいのありがとう」は、ひとつの大切なお墓と向き合う機会をいただきました。
ご依頼主様は地元に長く住まわれているご高齢のご夫婦。お二人ともとても穏やかで、まるで熟れた柿のように温かい方々でした(もちろん見た目は柿ではありません、念のため)。
今回の墓じまいは、10柱(※柱=ご遺骨の単位)のお墓でした。場所は少し山を登ったところ。眼下には広がる果樹園。春には桜、夏にはセミの声、秋には柿の実り。そんな自然の営みに囲まれて、代々のお墓は静かに佇んでいました。
墓じまいを決めた理由
ご夫婦が墓じまいを決意された理由は、「もう、自分たちの足腰が思うように動かなくなってきてね…」という切実なものでした。
昔は毎月のようにお墓参りに行かれていたそうですが、年齢とともに山道を登るのがつらくなり、草取りや掃除もままならなくなったと。近くに親族も少なく、今後の管理が心配で…というお気持ちがあったのです。
「私らも、もうすぐ仲間入りするかもしれんしね」と、ご夫婦は冗談めかして笑っておられましたが、その表情には寂しさと安堵が入り混じっているように感じました。
墓じまいの作業工程
今回の墓じまいは、まずご遺骨の確認と取り出しからスタート。土に眠るご先祖様の想いをひとつずつ丁寧に汲み取りながらの作業です。
「こげん立派にしてもろて、ご先祖さんも幸せやったろう」とおっしゃるご依頼主様。お墓に向かって手を合わせるその姿には、深い感謝の念がこもっていました。
次に石材の解体と撤去作業。こちらは重機を使いながら、安全第一で行います。墓石には年季が入っており、ひとつひとつにご家族の歴史が刻まれているのが分かりました。まるで本当に、石が語りかけてくるような感覚でした。
そして最後に更地に戻して、供養碑へとご遺骨をお引越し。
今回は近隣の寺院にある永代供養塔へと納骨することになりました。これにより、お墓の維持管理の心配もなくなり、遠方の親族の方も安心して手を合わせられるようになります。
墓じまい後のご感想
「正直ね、最初はちょっと申し訳ない気持ちもあったんよ」と奥様。
「でもこうして、新しい場所にちゃんとご先祖様をお連れして、今後もずっとお参りできるって思ったら、ホッとしたんよね」とご主人。
墓じまいというと、何かネガティブな響きがあるかもしれませんが、実際は未来に向けた“前向きな選択”なんだと、お二人の笑顔を見て再確認しました。
「ありがとうね、本当に助かったばい。これでようやく、柿の手入れも集中してできるごたる」と、最後はしっかりフルーツ愛あふれる一言で締めていただきました。
おわりに
お墓は、そこに建っていることだけが“供養”ではありません。大切なのは、ご先祖様を想う気持ちと、日々の中で手を合わせる心です。
私たち「墓じまいのありがとう」は、そうした“想い”を次の世代につなげるお手伝いをさせていただいています。
もし、今の暮らしにちょっとだけお墓の不安があるなら——
まずは一度、ご相談ください。
果物のように“熟した選択”、一緒にしてみませんか?
