墓じまいの決断!子供達に継がせたくないが本音なんです

もう、がんばらんでいいとよ──南区塩原のお墓じまいの物語

「これが最後の草取りになるかもしれんね」

真夏の暑い日、福岡市南区塩原にある小さなお墓の前で、そうつぶやいたのは70代後半のご夫婦。汗をぬぐいながらも、お墓を磨く手はどこか穏やかで、どこか寂しげでした。

私たち「やま中」にご相談いただいたのは、そんなお二人からの一本のお電話がきっかけでした。

■「子どもには継がせたくないとよ」

「年齢的にも体力的にも、もうお墓の管理がきつうてね…」

「子どももおるっちゃけど、都会に出て戻ってこんし、継がせるのも違う気がするとよ」

こうして語ってくださったのは、ご主人。

お二人とも足腰が少しずつ弱ってきて、今では草取りや墓石の掃除も、月に一度がやっと。夏場は蚊も多く、日差しもきつい。

「正直、最近は行くたびに“よっこらしょ”って声出るもんね」と奥様が笑うと、ご主人も「昔は二人でヒョイヒョイ登りよった墓道が、今じゃ登山」と返す。

この時点で私は「あ、このご夫婦、仲いいな」と思いました。

お墓を大事に思いながらも、無理して維持することに疑問を感じていらっしゃる。

そして何より、お子さんに「お墓の重荷」を背負わせたくないという思いが強く伝わってきました。

■墓じまいの決断は「悲しい」じゃない

「ご先祖様には、ちゃんと報告するけん安心しとってねって言ったと」

お二人がそうおっしゃったように、墓じまいは「終わり」ではなく、「次の形への始まり」です。

大切なのは、ご先祖様をどう思い、どう供養していくか。形にこだわる必要はありません。

今回は、お墓にあった10柱のお骨を丁寧に取り出し、ご自宅近くの永代供養墓へ移すことになりました。そこは管理不要で、年に一度、合同供養も行われる場所です。

「今は花を持ってふらっと寄れるし、天気が悪い日でも無理せんでいい。助かります」

そうおっしゃっていただいたとき、私たちも胸がじんとしました。

墓じまいって、決して「ご先祖様を手放す」ことじゃないんです。

「心の距離を、少し近くする」ことなんですよね。

■ご近所の反応も…意外とポジティブ?

「墓じまいするってご近所に言うと、最初は“あら寂しくなるね”って言われたと。でも、そのあと“実はうちも迷っとると”って続けて言われてね(笑)」

実はこうしたご相談、南区でも年々増えています。

「山の上でお参りが大変」「子どもが遠方」「夫婦2人だけで管理が難しい」

──そう思っていても、なかなか踏み出せない方が多い。

だからこそ、こうして一歩を踏み出したご夫婦のような存在が、地域でも静かな共感を呼んでいるのかもしれません。

■やってよかった。そんな言葉が嬉しい

撤去作業の日、ご夫婦は最後にこうおっしゃいました。

「なんかホッとしたよ。ちょっと肩の荷がおりた気がする」

そして少し照れたように、

「墓じまいって、重たい話やと思っとったけど…意外と、軽やかになった気もする」

これが、私たち「やま中」が届けたい墓じまいのかたちです。

人生の終盤に差しかかる中で、「頑張らなくていい未来」を用意する。

それは「諦め」ではなく、「前向きな整理整頓」なんです。

■墓じまいは“優しさ”の選択

もし、この記事を読んでいるあなたが、

「自分も将来どうしたら…」と感じているなら、どうか怖がらず、遠慮なくご相談ください。

・自分が動けるうちに整理したい

・子どもには負担をかけたくない

・でも、ちゃんと供養はしたい

そんな思いに、私たち「やま中」は全力で寄り添います。

お墓をなくすんじゃない。

大切な人を、もっと近くで想うための墓じまい。

がんばらんで、よかとよ。

あなたの優しさに、そっと寄り添えるように。

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