お寺と墓じまい、福岡で実際あった例

お寺とお墓と墓じまい ― 福岡市で実際にあった合意までの物語

福岡市内にお住まいのMさん(60代・女性)から、こんな電話をいただきました。

「お寺にお墓があるんですけど、墓じまいをしたいと思っていて…でも、お寺の方って合意してくれるんでしょうか?」

この質問、実はとても多いんです。

墓じまいのご相談を受けるとき、費用や手続きよりも先に「お寺がどう反応するか」を心配される方は少なくありません。

というのも、お寺の敷地(境内墓地)にあるお墓は、お寺との関係性が深いからです。お寺は檀家さんの供養を長年担ってきていますし、そのお墓を移すことは「ご縁を解く」という意味合いも持ちます。なので、合意は必要不可欠。

しかし、合意に至るまでにはちょっとしたコツと、ほんの少しの勇気が要ります。

事例:Mさんの場合

Mさんのお墓は、福岡市内の由緒あるお寺の境内にありました。ご主人のご両親から受け継いだお墓ですが、ご夫婦にはお子さんがおらず、今後お墓を守る人がいない状況でした。

「私が元気なうちに、墓じまいをして永代供養にした方が安心」と思い立ち、ご主人と相談のうえ行動開始。

ただ、最初の壁はやはり「お寺への相談」。

電話越しのMさんの声も、少し小さめでした。

「怒られたりしないでしょうか…?」

合意を得る第一歩は「事前の正直な相談」

私たち「やま中」では、まずはお寺に正直に事情をお伝えすることをおすすめしています。

理由はシンプルで、隠して進めると後でトラブルになる可能性が高いからです。

Mさんも勇気を出して、お寺の住職さんにアポを取りました。

最初は少し緊張していたそうですが、実際に話してみると住職さんは意外と穏やかに耳を傾けてくれたとのこと。

住職さんの言葉が印象的でした。

「長くお守りいただきありがとうございました。事情はよく分かりました。きちんと供養して送り出しましょう。」

この瞬間、Mさんの肩の力は一気に抜けたそうです。

合意の裏側にある“感謝の気持ち”

お寺も人と人との関係で成り立っています。

長年のご供養への感謝の気持ちをきちんと伝えることで、お寺の心も動きます。

Mさんの場合、墓じまい当日は住職さんにも立ち会っていただき、お性根抜き(魂抜き)の読経をしてもらいました。

その後、石材業者が解体し、遺骨は希望されていた永代供養墓へ納めました。

福岡市での墓じまい、お寺合意のポイント

  1. まずは正直に事情を説明
     健康面、経済面、後継者の有無など、理由を包み隠さず話しましょう。
  2. 感謝の気持ちを言葉に
     「今まで守ってくれてありがとう」とお寺へ伝えることが大切です。
  3. 合意は書面で残す
     後々の誤解防止にもなります。
  4. お性根抜きの依頼を忘れずに
     宗派の作法に沿って行うことで、心残りなく次の供養先へ。

ちょっとしたユーモアも大切

Mさん、最後にこんな笑い話をしてくれました。

「住職さんに『またお参りに来てくださいね』って言われて、『墓は無くなったけど、お寺のあんみつは食べに来ます』って返したんですよ。」

境内の茶店のあんみつが名物だったそうです。

こういうやりとりがあると、墓じまいも“しんみり”だけではなく、温かい思い出として残ります。

墓じまいは「終わり」じゃない

私たちが何度もお伝えしているのは、墓じまいは終わりではなく、新しい供養の形の始まりということ。

お墓の形が変わっても、故人を思う心はずっと続いていきます。

福岡市でお寺にお墓がある方で、墓じまいを考えている方。

お寺との合意は必要ですが、きちんと説明し、感謝を伝えれば、道はきっと開けます。

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